第24条の2(保険金等の請求及び受領等)

 理事長は、前条の契約に基づく保険金並びに敷地及び共用部分等について生じた損害賠償金及び不当利得による返還金(以下「保険金等」という。)の請求及び受領について、区分所有者及び区分所有者であった者(以下「旧区分所有者」という。)を代理する。

2 理事長は、理事会の決議を経て、保険金等の請求及び受領に関し、区分所有者及び旧区分所有者のために、訴訟において原告又は被告となること、その他法的措置をとることができる。

3 保険金等の請求及び受領は、前2項の規定によらなければ、これを行うことができない。

4 区分所有者は、区分所有権を譲渡した場合において、区分所有法第26条第2項の別段の意思表示を行わない。

5 保険金等は、これが生じた原因となる敷地及び共用部分等の瑕疵の修繕のために必要な費用に充当する。ただし、当該費用に充当してなお残余があるとき、敷地及び共用部分等の瑕疵の修繕を要しないとき、又は理事長が保険金等を受領した時に既に修繕を終えているときは、管理組合は、当該保険金等を第27条に定める費用に充当し、若しくは修繕積立金に組み入れ、又は既にした修繕のために費用を負担した者に対する償還に充てることができる。

6 第1項及び第2項の規定に基づき区分所有者を相手方として敷地及び共用部分等について生じた損害賠償金及び不当利得による返還金の請求をする場合、理事長は、当該区分所有者に対し、違約金としての弁護士費用その他の諸費用を請求することができる。

7 前項の規定に基づき請求した弁護士費用その他の諸費用に相当する収納金は、第27条に定める費用に充当する。

8 理事長は、第2項の規定に基づき区分所有者及び旧区分所有者のために原告又は被告となったときは、遅滞なく、区分所有者及び旧区分所有者にその旨を通知しなければならない。この場合において、第43条第2項及び第3項の規定は、区分所有者への通知について準用する。

第5章 管理 / 第1節 総則

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① 本条は、令和7年の区分所有法改正により、共用部分等について生じた保険金等の請求及び受領について、管理者が、当該請求権を有する区分所有者だけでなく、当該請求権を有する旧区分所有者をも代理等することができることが明確化されたことを踏まえ、当該請求権の理事長による代理行使及び訴訟追行等についてのルールを定めたものであり、これに併せて、令和7年の標準管理規約改正前までの第24条第2項及び第67条第3項第二号の内容も本条に統合している。
② 第3項は、本来各区分所有者及び旧区分所有者に帰属するものである保険金等の請求権について、保険金等が共用部分等について生じたものであることを踏まえ、理事長による団体としての行使に一元化し、区分所有者及び旧区分所有者による個別行使を禁止するものである。理事長による一元行使をより十全なものとする観点から、さらに、区分所有者及び旧区分所有者は、保険金等の請求権について、第三者に譲渡(区分所有権の譲渡に伴う当該請求権の譲渡を除く。)し、担保権を設定し、又はその他の処分を行わない旨の規定を併せて置くことも考えられる(これによっても、第三者に規約の効力が及ばない以上、譲渡等の効力を否定することはできないが、このような譲渡等をした区分所有者等に対して規約違反を問うことができると考えられる。)。
③ 区分所有法第26条第2項では、旧区分所有者が「別段の意思表示」をした場合には、管理者は当該旧区分所有者を代理等することはできないこととされている。これは、保険金等の請求権を有する旧区分所有者を保護するものであるが、第3項において保険金等の請求権の理事長による行使の一元化を図り、各区分所有者及び旧区分所有者の個別行使を禁止していることを踏まえ、第4項において旧区分所有者による「別段の意思表示」についても禁止するものである。これにより、各区分所有者は、区分所有者でなくなった後も「別段の意思表示」をしてはならないという義務を負うこととなる。
なお、このような定めが規約に置かれる前に区分所有権を譲渡し、既に区分所有者ではなくなっていた旧区分所有者に対しては、当該規約の効力は及ばない。
④ 理事長が区分所有者及び旧区分所有者を代理して保険金等を受領した場合には、本来、これを区分所有者及び旧区分所有者に引き渡す必要がある。しかし、保険金等は、共用部分等の瑕疵等により生じているものであり、理事長が一括してこの請求権を行使して受領した場合、その保険金等はその修繕を行うために用いることが予定されていると考えられる。第5項本文は、保険金等を上記の修繕費用に充当する旨の使途の定めを設けるものである。同項ただし書は、保険金等を受領した時点で既に修繕が終了しているケースや、そもそも修繕を要しないケース(不当利得による返還金は、瑕疵の存在を前提としていないため、修繕を要しない場合もあり得る。)もあり得ることを想定した規定であり、受領した保険金等を区分所有者及び旧区分所有者に分配することなく、団体として用いることを可能としている。

出展:国土交通省ウェブサイト

出展:国土交通省ウェブサイト

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