第28条(修繕積立金)

 管理組合は、各区分所有者が納入する修繕積立金を積み立てるものとし、積み立てた修繕積立金は、次の各号に掲げる特別の管理に要する経費に充当する場合に限って取り崩すことができる。

一 一定年数の経過ごとに計画的に行う修繕

二 不測の事故その他特別の事由により必要となる修繕

三 敷地及び共用部分等の改良又は変更

四 建物の建替え、建物の更新、建物敷地売却、建物取壊し敷地売却又は取壊し(以下「マンション再生等」という。)に係る合意形成に必要となる事項の調査

五 修繕積立金の管理及び運用

六 その他敷地及び共用部分等の管理に関し、区分所有者全体の利益のために特別に必要となる管理

2 前項にかかわらず、区分所有法第62条第1項の建替え決議、区分所有法第64条の5第1項の建物更新決議、区分所有法第64条の6第1項の建物敷地売却決議、区分所有法第64条の7第1項の建物取壊し敷地売却決議又は区分所有法第64条の8第1項の取壊し決議(以下「マンション再生等に係る決議」という。)を経て、マンションの再生等の円滑化に関する法律(平成14年法律第78号。以下「円滑化法」という。)第9条第1項のマンション再生組合の設立の認可、円滑化法第45条第1項に基づく事業の施行認可、円滑化法第113条第1項に基づくマンション等売却組合の設立の認可又は円滑化法第163条の6第1項に基づくマンション除却組合の設立の認可を得るまでの間においては、マンション再生等に係る決議の後であっても、その事業に係る計画又は設計等に必要がある場合には、管理組合は、その経費に充当するため、修繕積立金を取り崩すことができる。同様に、マンション再生等に係る区分所有者の全員の合意の後であっても、その事業に係る計画又は設計等に必要がある場合には、管理組合は、その経費に充当するため、修繕積立金を取り崩すことができる。ただし、取壊し以外のマンション再生等に係る計画又は設計等に必要な経費に充当するために修繕積立金を取り崩す場合は、管理組合の消滅時にその事業に参加しない区分所有者に帰属する修繕積立金相当額を除いた金額を限度とする。

3 管理組合は、第1項各号の経費に充てるため借入れをしたときは、修繕積立金をもってその償還に充てることができる。

4 修繕積立金については、管理費とは区分して経理しなければならない。

第5章 管理 / 第2節 費用の負担

コメント

① 対象物件の経済的価値を適正に維持するためには、一定期間ごとに行う計画的な維持修繕工事が重要であるので、修繕積立金を必ず積み立てることとしたものである。
② 分譲会社が分譲時において将来の計画修繕に要する経費に充当していくため、一括して購入者より修繕積立基金として徴収している場合や、修繕時に、既存の修繕積立金の額が修繕費用に不足すること等から、一時負担金が区分所有者から徴収される場合があるが、これらについても修繕積立金として積み立てられ、区分経理されるべきものである。
③ 修繕積立金を取り崩すことができる事由として第1項第一号から第三号に掲げる「一定年数の経過ごとに計画的に行う修繕」、「不測の事故その他特別の事由により必要となる修繕」及び「敷地及び共用部分等の改良又は変更」には、実際の工事費用のほか、工事に係る計画立案、工事履歴等の調査、設計等の準備段階の費用も含まれる。
④ 第1項第五号に掲げる「修繕積立金の管理及び運用」に要する費用とは、修繕積立金を保管する銀行口座の残高証明書等の帳票発行手数料や、住宅金融支援機構の「マンション共用部分リフォーム融資」等の金融商品を活用する際に必要となる保証料、修繕積立金を取り崩して実施した工事に関する諸費用(印紙税、工事代金を支払った際の振込手数料等)等を想定している。
なお、修繕積立金の管理及び運用に要する費用については、修繕積立金の取崩しの対象として規定せず、管理費から支出することもできる。
⑤ 円滑化法に基づく再生組合によるマンション建替事業までのプロセスのうち、管理組合として、修繕・改修との比較等による建替えの必要性、建替えの構想について検討する検討段階及び各区分所有者の合意形成を図りながら、建替えの計画を本格的に検討する計画段階においては、管理組合が建替えの検討のため、調査を実施する。調査の主な内容は、再生マンションの設計概要、マンションの取壊し及び再生マンションの建築に要する費用の概算額やその費用分担、再生マンションの区分所有権の帰属に関する事項等である。
⑥ マンション建替事業におけるプロセスのうち、再生組合の設立段階においても、修繕積立金を取り崩すことのできる場合があることを定めたのが第2項である。
⑦ マンション建替事業におけるプロセスによらず、円滑化法第45条のマンション再生事業の認可に基づく建替え、又は区分所有者の全員合意に基づく任意の建替えを推進する場合であっても、必要に応じて、第1項及び第2項、又は第2項と同様の方法により、修繕積立金を取り崩すことは可能である。ただし、任意の組織に関しては、その設立時期について管理組合内で共通認識を得ておくことが必要である。
⑧ 円滑化法に基づくマンション建替事業を除くマンション再生事業、マンション等売却事業、マンション除却事業の場合にも、建替えの場合と同様に、第1項及び第2項に基づき、必要に応じて、修繕積立金を取り崩すことは可能である。
⑨ マンション再生等に係る合意形成に必要となる事項の調査に要する経費の支出は、各マンションの実態に応じて、管理費から支出する旨管理規約に規定することもできる。
⑩ 第1項第四号中の「建物の更新」とは、建物の構造上主要な部分の効用の維持又は回復(通常有すべき効用の確保を含む。)のために共用部分の形状を変更し、かつ、これに伴い全ての専有部分の形状、面積又は位置関係の変更をすること(いわゆる「一棟リノベーション」)を指すものである。

出展:国土交通省ウェブサイト

出展:国土交通省ウェブサイト

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